Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代

城 繁幸 (著) ,ちくま新書 (708)

城 繁幸さんの本week.

ごく私的なことだが,2冊読んでいろいろ重要なことに気がついた.
1)なぜ,新聞を読んでいて時々不快になるのか.
2)なぜ,つくばの平和な風景を見ていて時々不快になるのか.


1)について.
5歳くらいから30年読んできた新聞(朝日)ではあるが,もう,新聞購読をやめる潮時なのかもしれない.
団塊の世代以降に媚を売るような記事,若者は絶対買わないような品・サービスの広告がやたら目に付く.ワークライフバランスや過労死の記事も,どこかよそ吹く風.新聞こそ,大いなる昭和的価値観のカタマリ.そう,我々はもう新聞社のターゲットではないのだ.こういう感覚,私の親世代には納得してもらえないだろうな.#ただし,日曜日の書評欄だけはとても楽しみにしている.これを読まないのは惜しいなあ.


2)について.
つくばは,平成になって20年経った今でも,どこか昭和的価値観で動く町である.それって,公務員が多いからなのだ.公務員はリストラなし,定期昇給あり,男性のみ長時間労働(それでも職住近接なので幸せ度は高いが),女性は専業主婦で子供2人.こういうステレオタイプがまかり通る.つくばに子どもが多い理由は,お父さんの(注:お母さんではない!)定期昇給が多少なりとも望め,少なくともリストラはないからだ.子どもが小さいうちは宿舎住まい,頭金を貯めて給料が上がったころにマイホーム購入.見事なレールだ.不快になる理由がハッキリわかった.アウトサイダーの私がこの町を引っ張っていくことは,決してないような気がする,その疎外感だったんだ.
私は生まれてから昭和55年まで,公団住宅に住んでいた.父は土曜日も普通に働くサラリーマン,母は専業主婦.そして隣もみな同じライフスタイル.平成になって廃れたかと思いきや,このスタイルは筑波の公務員住宅ではいまだ主流派.どうりで,最初ここに越してきたとき幼かったころを思い出したわけだ.
ついでにいうと,職場の組合活動に大いに違和感を抱いた理由も見つけた.いまや,「労働者を守る左翼(労働組合共産党)=保守」だからだ.革新なんて,ぜんぜん感じられない.高齢化した旧態依然の団体に,魅力があるわけがない.