Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

フラッシュダンス

ジョン・バダム=監督、1983年米国(Paramount)
ジェニファー・ビールス、マイケル・ヌーリー
私が小学生の時話題になった映画。大ヒットしたのを記憶しているが、当時はあまり興味がなく、観ていない。
タイトルだけは覚えていて、気になってはいたので、この度4Kリマスタリングされたらしく鑑賞。

アラフィフ世代がイメージする典型的な「洋画」「アメリカ映画」ってこういうもんだよな(「愛と青春の旅だち」「トップガン」などと同じ匂いがする)。
上昇気流に乗っているパリピ感があるが、それもそのはず、「サタデー・ナイト・フィーバー」と同じ監督だったのね。知らなかった。
まず、音楽が良くて、冒頭からワクワク。「フラッシュダンス~ホワット・ア・フィーリング」はもちろん、「MANIAC」がかなり良かった。今のアメリカ映画と高揚感が桁違い、昔は良かった、ってアメリカ人も思うかもしれない。
主人公の服装(私服)がアメカジ、これも懐かしい。ミリタリージャケットだの、やたら緩いトップスだの。日本の中高生もこの映画見て、こういうのかっこいい!って思ったんだろうな、私の周りのおねいさま方もこんな服装だったな、と思い出した。

舞台はピッツバーグ、OH。鉄鋼の町。主人公のアレックス(女子)は昼間は溶接工、夜はバーのダンサーとして働き、お金をためつつプロのダンサーになることを夢見ている。ということでダンスシーンが非常に多いこの作品、「サタデー・ナイト・フィーバー」よりフィーバーしていたのでは?ブレイクダンスもこの映画あたりから流行ったんじゃないかな。

ストーリーとしては、青春映画だから仕方がないのかも知れないが、展開が急すぎておいおい、というレベル。実験的なダンス映像を取り入れたり、主人公以外のダンサーをプロモーション的に見せたりと、踊りの勉強になることは確実。
気に入ったシーンは冒頭。朝焼けをバックに、ピッツバーグの橋を自転車で渡る主人公のシルエット(カメラは当然、パン)がめっちゃ美しい。そこに「フラッシュダンス~ホワット・ア・フィーリング」がかかる。このアゲアゲなアメリカン・ドリーム感は、素晴らしかった。これに憧れて、世界中から若者が移住しちゃいそう。
夜明けに橋を渡る主人公の姿がパンで映される、という映像は、私も一回撮ってみたい。「の・ようなもの」(森田芳光、1981)でも吾妻橋言問橋でこういうアングル、素敵だった。