Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

の・ようなもの のようなもの

杉山泰一=監督、2016年日本
松山ケンイチ北川景子伊藤克信、尾藤イサオ、でんでん
森田芳光監督の急逝をうけて、森田組で企画された作品らしい。先日観てとてもとても好きになった「の・ようなもの」のオマージュ。
この作品も好き。
東京下町(谷中)の風景もとてもいい。前作から35年も経っているのに、相変わらず活気のある商店街。
谷中墓地で落語の稽古をしたり、落語を(無観客で)上演したり。和尚様も含めて、意外に味がある。
志ん魚をさがす志ん田(でん)(松山ケンイチ)がたどる旅。旅行番組みたいになってるな~って思ってたら、師匠(尾藤イサオ)から「るるぶの取材じゃね~んだよ!」と下町言葉で怒られた!(爆)

んもう、みんな身勝手すぎて好き。相変わらずいいのが伊藤克信さん。人間の不器用さというかいびつさを、温かくユーモラスに体現していて好感が持てる。(男やもめのアパートの、生活感あふれる、でも乱雑じゃない、志ん魚の人柄が表れたアパートも好き。)松山ケンイチも、純朴な青年だけど「やるときはやる」という主人公を押しつけがましくなく演じていて、上手い。生き様丸出しの内海桂子。志ん魚への愛情丸出し(わがままともいう)会長(三田佳子)。人間が人間として生きてるからいいんだな。身勝手でもいいから生きるんだ、とにかく。
森田組の映画に出た俳優さんたちがめっちゃ豪華にカメオ出演していて、鈴木京香仲村トオル笹野高史塚地武雅ピエール瀧佐々木蔵之介・・・この人たちチョイ役とかどんだけですかっていう多幸感。
別にいちゃもんつけるわけではないけど、北川景子だけが少しイマイチ。このマイルドヤンキー感は、私はあまり好きじゃなかったな。
あ、今気がついた、これ、間宮兄弟のキャスティングなのか(北川、塚地、佐々木)。