Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

グリーン・ブック

ピーター・ファレリー=監督,2018年米国
飛行機内で,英語字幕で観た.そのため完全に内容を理解できたかは心許ないが,イタリア移民の運転手と黒人のピアニストが演奏旅行の中でだんだん通じ合っていくロードムービー,面白かった.
1962年のアメリカ,人種差別がひどすぎて目をそむけたくなる.黒人ピアニストはめっちゃエリートなのに,白人と一緒のレストランで食事ができない,「それは決まりだから」の一点張りは本当に頭がおかしいとしか思えない.

女子という呪い

雨宮処凛=著,集英社
ガチフェミ,だが教義に凝り固まることなく,半径10mに目を向けているので,共感できる.
なぜ女なら○○でなければいけないの?おかしいことはおかしいと言う.もっと自分の生きたい方向性を追求してよい.
ゴスロリ衣装が,モテとは無縁である一方で自分を守る戦闘服になっている,っていうのは面白い.
家庭科男女共修は,日本に大変革をもたらしたと確信.(1993年に中学,1994年に高校)1980年以降生まれの男子は,自然に家事ができる(もちろん全員じゃないけど,その割合が顕著に高いことは肌感覚として思う)

住職という生き方

蝉丸P=著,星海社新書
・弔いのステップをきちんと踏まないことは別の方面で結局コストが高くつく,理由は故人とけじめをつけることを曖昧にしていると,別の勢力がその”弱み”に付け込んでくるから.「あなたが上手くいかないのはお葬式をなおざりにしたからですよ」と.
・ヒッピームーブメント,これは「良き父,良き母,良きアメリカ」への反抗.必然的にスピリチュアルに走る.スピリチュアルは教義なし,オレが見たものが全てで,それは説得力がない.
・ワンストップで仏教が分かることへのニーズ.「そのご要望ならこちらの方へ」という指南.今の仏教には,理解の入り口を見つけやすくする補助線が欠けている.そのためにテクノロジーをうまく使う.
・お寺がつぶれる?直葬?葬式システムの崩壊?いや,メディアはあくまで東京目線.このような論調は鵜呑みにせず3割に割り引こう.団塊の世代の悪影響もある.
気づきも多く,勉強になったが誤字脱字が多かったのは残念.校正者,ちゃんと校正しているのかな?

ケープタウン雑感

・国際学会のため,ケープタウンへ.ルートは,所要時間が最短という理由で羽田から香港ーヨハネスブルク経由.2回乗り継ぎは,学生時代に行った南米旅行以来で体がボロボロになるかと思ったが,今回そうでもなかった.機内の快適度は確実に上がっているようだ.航空会社はキャセイとブリティッシュエアウェイズ.座席もきれいで機内食が結構おいしかった.所要時間は行きが26時間くらい,帰りは24時間.
ケープタウンは,思ったより普通のベタな観光地.しかも観光のレベルはかなり高め.夜遅く出歩くのは,複数人数でも,メインストリートでも怖いと思った,こんなことは南米ですら経験しなかったが,それ以外は快適なところだった.
・ホテルのロビーも部屋も,街ですれ違う人からも,ほのかに香水の匂いがした.体臭を消すためだと思うのだが,それが品があって,人との程よい距離感を保つためのツールになっていた.だから第一印象「あ~,私ここでやっていけるかも!」.
・食事はもしかしたら日本より美味い.お肉,お魚,味付けが「わかってるじゃん!」という感じ.「この素材,こうすると一番おいしくなるだろうな」,そう考えて作られている印象である.決して高級料理店だけじゃない,大体のお店でそうだと思う.あと,野菜と果物が本当においしい.そんなに高くない三ツ星ホテルの無料朝食が,日本よりおいしい.パンもソーセージも美味いのは想定内としても,野菜のグリルに,果物はイチゴ,キウイ,グレープフルーツ,メロン,パッションフルーツ(カット済み)が食べ放題で美味.おまけにチーズも食べ放題.アメリカの〇リオットや〇イアットなどの高級ホテルよりずっとずっとおいしい.少しは見習っていただきたい.
・そのため気が大きくなって,ついにやってしまった,海外でSushiを頼むという暴挙.握り寿司のネタはマグロ,サーモン,海老.海苔巻き(Norimakiで通じる)も同じネタ,ええと,感想は,ネタは日本と同じかそれよりおいしい!!でもシャリが酷い,米粒の立ち上がりが全くない.例えていうならオートミールを再度米の形に固めた白い何かってところ.SushiじゃなくてSashimiにすればよかった・・・
・欧州の意識が強く,チップ絶対の文化.忘れると嫌な顔をされた.観光客からの重要な収入と位置付けられているのか,もらおうと必死な人がいて,露骨さもあった.
・言語について.目についた注意書きなどの掲示板は二か国語が書いてあるんだけど,英語とオランダ語の併記だと最初思った.しかし,同じホテルに泊まっていて参加していた学会も同じだったオランダ人女性研究者と雑談して,「オランダ語じゃなくてアフリカーンス語」ということを教えてもらった.「私は小さいころ南アフリカに住んでいて,小学校の時にオランダに帰った」「アフリカーンス語オランダ語にとても似ているんだけど,オランダ語の動詞の活用(格変化?)をもっと簡単にしたものなんだよ」「オランダに帰った後,オランダ語の文法をマスターするのに苦労したから」等々の話を初対面でいきなりしてくれて面白かった!.(こういう時,私は気軽に声をかけてもらえる性質で,この点はトクだなと.)彼女,私に質問「日本語と中国語はどちらが難しい?」私「いや,難しさの方向性が違うので比べるのは難しいな」こんな会話も.
・学会で衝撃だったことは,北京市の環境研究所(←名称は微妙にぼかすが)の所長が,基調講演で講演したのがなんと中国語だったこと!助手が英語に逐次通訳するスタイル.なかなか衝撃だった.ここが中国ならわかる,しかし,ここは南アフリカです!!その所長の中国語のプレゼンが実に堂々としていたのはむしろ感激ポイント.拙い英語で堂々としている各国のトップはたくさん見てきたが,中国語プレゼンは,朗々と詩を暗唱するような圧倒的な迫力だった.自分の国に誇りを持っていて,しかもアフリカでそれをアピールすること.意図は十分伝わったけど正直「何を企んでいるのだ?」と感じざるを得なかった.あと,アフリカと中国の近さを見せつけられ,中国がアフリカに多大な影響力を持つぞ!とアピールしている感じもあった.近い将来,中国語が理解できないと研究できない時代が来るかもしれない,ということすら私は考えたよ.【追記:帰国して同僚の中国人研究者にこのことを話したら,「それは彼のパーソナリティーで,非常に特殊なパターン.一般的にはそういう場では英語でプレゼンするよ」と返されたけれど...】
・観光はミニマム.水族館と,大西洋の夕陽を見ながらのフェリー.楽しかったので再訪の妄想をば(家族でサファリキャンプなど.ガオ~)
・トランジットに使ったヨハネスブルクのO.R.Tambo空港について少し.空港の雰囲気はケープタウンとは違う.ケープタウンはお金持ちリゾート感が漂っているのに対し,ヨハネスブルクは,アフリカの玄関口で,逆に言うとアフリカから世界に向かって戦いに行く人の出発口という感じ.O.R.TamboのDeparture表示はNairobi行きがバンバン出てる!行き先の地名が,アフリカのどこかなんだろうけど,聞いたことないとこばかりで全然わからない!(マジでAccraぐらいしかわからない)発着する飛行機もAir Namibiaとか,見ててアドレナリンが出る!久しぶりに胸がキューっと締め付けられるような武者震いと共に「私,遠くに来たんだ!」という高揚感があった.ずっとずっとこのDeparture表示を見ていたいと思った.

以上,スピッツのアルバムを完全シャッフルにして聴きまくりながら,O.R.Tamboにて記す.

ダンガル きっとつよくなる

ニテーシュ・ティワーリー=監督,2016年インド
主演:アーミル・カーン
娘を女子レスリングの選手として育成し,国内大会から国際大会で勝ち上がっていく,という巨人の星っぽいストーリー.
スピッツFCの会報で草野さんが最近観て面白かった映画として紹介していたから.たしかに!なかなか!の映画だった.
舞台はハリヤーナ州バラリ.そんなド田舎の村で周囲の「女がレスリングなんて」という偏見と闘いながら,娘たちからの理解すらも得られない中でトレーニング積む.笑えるだけではない.
娘たちがレスリングに打ち込むきっかけは,同級生が14歳で望まない結婚をさせられるのを目の当たりにしたから,というところが重かった.「だって,あなたのお父さんはあなたのためにそうやって強くしてくれるんでしょ.私なんて早く結婚して夫の世話をして子供を産むことしか期待されてない」という同級生の台詞.日本では考えられないことで,泣けた.
デリー郊外のパティアーラという街にインドのスポーツ選手強化施設があり,そこで(オリンピックじゃなくて)コモンウェルス大会に向けた強化練習をする.コモンウェルス大会とは何のことか調べたら,「英国連邦の国々が参加する競技会」なんだね!

クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし

橋本昌和=監督,2019年日本(東宝
例によって,ひろしとみさえの愛の強さを見せつけられ,映画館で号泣(バカ).
インディ・ジョーンズ レイダース失われたアークのパクリ!!
お宝を狙うハンターの名はインディ・順子だし.

GW雑感・中二男子はいつも空腹

・GWに向けて帰省。福島の手前で新幹線が足止め,40分ほど.理由が「やまびことつばさが離れないから~」だって.仲良しすぎる.福島駅で在来線ホームから新幹線に乗るという、レアな事態に遭遇。やっぱり山形新幹線は新幹線型特急だった。。。
金曜日のうちに帰り着くはずだった長井ですが,新幹線故障の影響で日付変わって土曜日1:30に帰宅⇒寝る⇒6:00起床,次女が登校日(参観日)のためお弁当を作って,再び睡眠,11:00に長女の高校PTA総会のため,1時間運転して山形へ.なんかハードな連休の始まりだったが,打って変わって今日はのんびり.

・長女は土曜日午前授業のあと,上京.目的はニコニコ超会議!!私は軍資金を渡し,切符の買い方と交通経路を説明し,あとはセルフサービスでお願いしますというだけ.宿泊は私の実家.楽になったが,親を差し置いて(笑)その自由さは何?私も幕張行きたいよ!!

・長男は今日,学校の友達4人と自転車で拉麺二段に行く予定.「習字教室終わって10:30でしょ,5分で家帰って,10分で筆洗って出発して11:00に集合場所,そこから15分で二段,並べば限定ゲットできる」とこちらが聞いてもないのに雄弁.最近無口になった長男が喋るのは嬉しいが,何なんだその二段愛…

・長男が時折口にする話が面白い.食欲全開の中学生男子,5時間目どころか給食食べ終わった直後に「腹減った」と言い合っている,とか,5時間目の英語の時間にあいさつで,先生「How are you?」からの「I'm hungry!」と返す子続出,とか.可愛らしい...